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Oh boy:  ファッションと女性らしさ

Oh boy: ファッションと女性らしさ

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Oh boy: 

ファッション

と女性らしさ

 

 

By Sarah Yung

 

 訳:津田ミリアム

写真:Ayu Watanabe (instagram @yakuzayu)

 モデル: 美佳 -MIKA- (instagram @fuckinperfect65)

 


私は分かっているつもりだった。 何と言っても私は 高校生になる前の夏に、インディー ズ映画を見ることと、少女小説を読むことに病みつきになっていた。彼氏にするに値する男子は、自分のやりたい事を恐れずにやり遂げる風変わりな女の子を求めていると思っていた。

私はファッションを通して自分のクリエイティビティを表すことが好きだった。

例えば、お父さんの古いグラフィックTシャツの上にダボダボのシャンブレーシャツを羽織ったりした。他にもマスタード色のスキニージーンズに赤さび色のウールカーディガンを合わせたり、宝石色のコーデュロイパンツにターコイズ色のサスペンダーを付けたり、 ドット柄のシャツとストライプのズボンを着て、そこには馴染まない花柄の靴下を履いたりしてファッションを楽しんだ。私の記憶に強く残っているコーディネーションは ボタンフライのLevi’sジーンズの上に合わせたおばあちゃんの押入れから見つけた頼り甲斐のある黒のブレザーと、クリーム色とワインレッドのボーリングシューズだ。

しかし妄想的な理想の追求ばかりしていて、他人からの私の見方が自分自身が思っているものと違うことを忘れていた。この厄介な真実を思い知ることになったのは、ある日私の友達のグループの知り合いが昼休みに私のところに来て静かなロッカーのところへ来るように手招きした大学2年生の時だった。

    その女の子はツヤツヤでストレートアイロンをかけた黒髪を搔き上げ、細い肩をちらつかせた。

「ねぇずっと気になってたんだけど、あなたレズ?」

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他人からの私の見方が自分自身が思っているものと違うことを忘れていた

「えっ?わ、わたしがなに?」と私は饒舌にも答えた。

    聞こえなかったと思ったのか、彼女はグッと近付いてきた。彼女のキラキラのまぶたは カリフォルニアの日差しを反射するサナギのように光り、彼女の細いまつげはマスカラが何度も塗られ虫の足を思い出させた。

だから、女の子が好きなの?」

「そんなことない!なんでそう思うの?」 自分が思ったより強く言ってしまったのかも知れない。彼女はびっくりしたように目を開き、私の着ているものをジロジロ見ながら一歩下がった。

「別に女の子を好きでも全然気にしないから。それと鏡を見てごらんよ、レズだと思われても しょうがないでしょ。」

彼女は私のボブヘアー から光沢のある革のメッセンジャーバッグまで冷たい目で見た。そして彼女は私の着ている物を一つ一つチェックした。地図柄のシャツには眉を吊り上げ、 パッチワークで装飾されたボーイフレンドデニムには唇を引きつらせ、アーガイル柄の靴下と靴紐のないオックスフォードシューズには刺すような目線を送った。

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「それおじいちゃんの?」彼女は私のダボダボでマール柄のカーディガンをマニキュアの塗られた指で指した。

「違う。叔父さんのだよ。」それまで気にしたことはなかったが、急にそのカーディガンが大きすぎて薄茶色のスエードのエルボーパッチが私には腕パッチになっていることに気付き、恥ずかしくなった。

    彼女は勝負に勝ったかのように満足そうな笑みを浮かべ、「ほら。 男子みたいな格好してるじゃん。しかもお化粧もしないし髪も短い。」と言った。

私は何か言い返したかったが、彼女の意見を変える魔法の言葉は見つからなかった。だから私は立ちすくみ彼女の長い髪、ぴっちりしたピンクのキャミソール、今にもはち切れそうなスーパースキニージーンズとムートンブーツを見つめることしかできなかった。

彼女は私がまだ言い返したそうにしているのに呆れて「ねぇ、サラ。女の子らしい格好すれば男子もあなたに興味を示すんじゃない?」と言って去って行った。

*    *    *

 それからの長い日々、あの時の会話を思い出し、ムカムカするのは"レズ"と思われたことではなかった。むしろ、 友達から女の子だと思われるためには、着ている物を変えて 社会での自分の表し方を変えなければならないと言うことだった。

あの時、もしそんなことを言われる準備が出来ていれば何て言い返えせていたか考える夜がいくつもあった。この自己反省のサイクルの正式な名前が esprit de l’escalier (直訳すると階段の精神)と言うことさえ学んだ。 トボトボ家へと歩いていると、立ちすくんでしまうほどの屈辱で得た大きな傷を忘れようとしても、あの侮辱を思い出してしまう。

あまりにも頻繁に私は彼女のあざ笑った顔を思い出し、「少なくとも私は他のクラスメートよりもユニークな格好をしていて、自分のファッションに自信を持ち、誰かが必ず人混みの中から見つけてくれる」と自分自身に言い聞かせた。そして性的嗜好と何を着ているかは比例しないと言うこと女性らしくあることは女性になるための条件ではないことを教えてやりたかったと思った。また、ランウェイや Man Repeller と Refinery29 (私が1番好きなファッションサイト)や おしゃれな人たちは女性らしいファッションと男性らしいファッション の境目を無くし出していることを知らせて やりたかった。 私は、彼/女らは”美しさ”や”スタイリッシュ”の意味やジェンダーの「規範的な服」を考え直させ、ファッションをその変化と革命の道具として使っているその動きに関わりたいと思っていたし、今もその気持ちは変わらない。

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性的嗜好と

 

何を着ているか

は比例しないと言うこと女性らしくあることは女性になるための条件ではないことを教えてやりたかった


しかし、何回自分の妄想の中であの女の子を言い負かしても、女の子らしい格好をしないと男の子は好きになってくれないという心配を完全に追い払うことは出来なかった。統一感のないタンスの中身をピチピチのファストファッションに変えることは絶対に嫌だが、魅力的な男子とすれ違う度に、彼女のあの時の言葉が頭の中でこだました。

結局ずっと彼氏がいないのは事実だった。 私はどちらかというと男っぽく、風変わりな(自分でも自覚するくらい)服を着ていて、特別な日以外お化粧はしなかった。長い髪はサッカーをしているときに邪魔だから顎のあたりまで伸びるとすぐに美容室に行った。

自分を大事にし、自己表現するのは良いことだと自分に言い聞かせるが、そもそも自己表現に正しいやり方、間違ったやり方などあるのだろうか。ボーイッシュな恰好は、 肩幅が狭くてハッキリした顔立ちの可愛くてきゃしゃな女の子だけのものなのか。

おかしいと思うかも知れないが、傷跡を突っついて残っている痛みをチェックしているみたいに私はよくあの出来事とこれらの質問を考えてしまう。 結局私にはずっと彼氏がいない。 今もお化粧することはほとんどないし、髪の毛も今までで一番短く、女性らしいとは言えない格好をしている。

でも以前と違うことは、時間が過ぎ20代になり、他人の意見や好みによって自分の格好を気にすることをやめる努力をしているということだ。大学時代を通して、アクセントになる靴下とビンテージのフーディーの良さがわかり、ストライプのタートルネックと白黒でチェック柄のブレザーの組み合わせが良いか悪いかを真剣に話せて、私の風変わりの格好を褒めてくれる人たちと出会い友達になった。

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他人の意見や好みによって自分の格好を気にすることをやめる努力をしている

そして、いつか彼氏ができた時、見た目だけで好きになって欲しくはないと思うようになった。 ファッションを革命や自分を表現する物として使っているが、仲いい人達は私が着ているものが私の全てではないことをちゃんと知ってくれている。

いつか私のインテリな部分やブラックジョークが好きなこと、将来の夢とか他にも数え切れない良さを見つけて認めてくれる彼氏ができることに期待を膨らませている。

もちろん、もし私のパートナーが私のファッションセンスが好きで、服をシェアしたかったらそうしてやっても いいけどね。

 

意味はなくても。

意味はなくても。

 シューカツの不自由

シューカツの不自由